2008年12月05日
第9回「多文化共生シンポジウム」
投稿者:PCDC推進室:特色GP事業 【特色GP事業】
今回で9回目となる「多文化共生シンポジウム」。
今回のシンポジウムは、本学キャンパスで開催するのではなく、これまで大変お世話になってきた大泉町で開催することになりました。会場は、大泉町文化むら大ホール。800人収容の大ホールを備えた、私たちには立派すぎる施設とさえ思えるこの会場も、プロジェクトの思い出がぎっしり詰まっています。 はじめて本プロジェクトで行った多文化共生啓発イベント「夢はかなう・夢をかなえる」もこの会場で行いました。これまで10年間にわたり毎年夏に、大泉町教育委員会と共催で3日間連続で開催してきた「教員研修連続ワークショップ」も会場はこの文化むらです。これまでの感謝の気持ちを込めて、このシンポジウムを迎えよう、そう心に誓いました。
開催日は、11月29日(土)・30日(日)の2日間。参加人数は、523名を数えました。予想以上にたくさんのみなさんが駆けつけて下さいました。プロジェクトでお世話になった行政関係者のみなさん、学校や病院関係者のみなさん、地域のみなさん、外国人学校のみなさん。卒業生たちの懐かしい顔、学生の家族のみなさんも会場で応援してくださいました。たくさんのみなさんのご理解とご支援あってのプロジェクトだったんだと、再認識しました。
この日の様子は、シンポジウムの詳しい内容は、本事業広告紙OBRIDGE第3号(平成21年3月刊行)に紹介されています。ご覧いただけましたら幸いです。
第一日目冒頭の開会式では、文部科学省高等教育局大学振興課長の義本氏をはじめとして、各界より5名の来賓にご挨拶いただきました。
群馬大学「多文化共生教育・研究プロジェクト」事業推進責任者、結城恵教育学部准教授がプロジェクト概要とシンポジウムの趣旨説明を行った後、パネルディスカッション1がはじまりました。
パネルディスカッション1では、コーディネーターの結城恵准教授が司会をつとめ、
「多文化共生社会づくりに貢献する人材の育成とは?
-アメリカ・ブラジル・スウェーデン・日本の事例から-」
をテーマに海外ゲストを交えて活発なディスカッションが行われました。
(パネリストは以下のとおり)
二宮正人氏(サンパウロ大学法学部教授、CIATE国外就労者情報援護センター理事長)
アピチャイ・シッパー氏(南カリフォルニア大学国際関係部専任講師)
テリー・ハラ氏(ロサンゼルス市警察本部副本部長)
田村遵一教授(医学部附属病院総合診察部長)
結城恵准教授(多文化共生教育・研究プロジェクト推進責任者、教育学部)
昨年に続き、今回2回目の参加となる二宮正人氏は、自らの移民としての経験を元に、「日伯両国を活性化する人材育成のためにはパートナーシップの強化が必要」とお話されました。また、テリー・ハラ氏はロサンゼルス市警察のプログラムを紹介し、多文化コミュニティーで成果を上げる警察の評価体系について詳しくご説明くださいました。
一日目終了後には、同会場の小ホールに場所を移し懇親会が行われました。(約100名の)たくさんの参加者がブラジル料理を囲み、あちこちでお話が弾んでいる様子が見られました。特にブラジル料理のシュラスコは味もボリュームも大変好評でした。
活発な意見が交わされたパネルディスカッション1
第二日目は、学生たちの発表や、アトラクション、3つのパネルディスカッションを行い、本事業の内容やインパクトについてさまざまな角度から検証しました。
パネルディスカッション2は、大学院工学研究科の片田敏孝教授の司会で進められました。
1.医学部保健学科の佐藤由美教授による「群馬大学人材育成プログラムの概要」
2.9つの活動班別に学生たちによる事例報告
3.社会情報学部の寺石雅英教授司会による、プロジェクト参加学生および卒業生によるディスカッション
事例報告では、学生たちはプレゼンテーション資料の作成や発表の練習など、多くの準備を行い、自分たちが積み重ねてきた学びについて、自らの言葉で発表していきました。
昼食・休憩のあとには、リマ・ウィルソン氏(アートブラジル代表)と門下生によるカポエイラのアトラクション。勇壮な踊りと、明るいパフォーマンスに、最後には客席の学生有志もステージに上がり、会場は一気に盛り上がりました。
パネルディスカッション3に参加した卒業生たち 会場中を湧かせたカポエイラ
パネルディスカッション3は、「多文化共生社会づくりに貢献する人材の育成-群馬大学モデルの成果と可能性-」をテーマに、
その1では本プロジェクトの群馬大学におけるインパクト、
その2では高等教育におけるインパクトを、
その3では多文化社会におけるインパクトについて、
各界からのパネリストによる活発なディスカッションが行われました。
パネリストとして登壇された名古屋大学大学院の伊藤教授は、PCDCの取り組みは“学士力”という、現在注目されているキーワードに見事に当てはまるとお話されていました。
その他多くの意見があり、群馬大学モデルの成果が検証され、大きな広がりをもつ可能性が示されました。
(各セクションのパネリストは以下のとおり)
その1 福地豊樹教授(教育学部)、落合延高教授(社会情報学部長)、田村遵一教授(医学部附属病院総合診療部長)、佐藤由美教授(医学部保健学科)、片田敏孝教授(大学院工学研究科)
その2 林 大樹氏(一橋大学大学院社会学研究科教授)、伊藤彰浩氏(名古屋大学大学院教育発達科学研究科教授)、樫原洋平氏(株式会社リンクアンドモチベーションエントリーマネジメント事業本部人材育成プロジェクトマネジャー)
その3 芝田政之氏(文部科学省大臣官房国際課長)、山口和美氏(群馬県生活文化部国際課長)、登坂利彦氏(大泉町教育委員会教育長)、二宮正人氏(サンパウロ大学法学部教授・CIATE国外就労者情報援護センター理事長)
閉会式では、私たちのメッセージ「共に生きる青い星」と題し、本プロジェクトのシンボルマークと添えられた詩(作詩・矢内一雄伊勢崎市長)について紹介。
シンボルマークを描いた結城瞳ジーナさんが朗読し、作編曲の西田直嗣教授(教育学部)の指揮で、教育学部音楽専攻生と本プロジェクトの学生・教職員が日本語・ポルトガル語・英語による合唱を披露。最後は3つの言語をあわせて歌い上げ感動的なフィナーレを迎えました。
群馬モデルの成果が検証されたパネルディスカッション3
感動的だった閉会式の合唱