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活動状況

2006年08月11日

第7回教員研修連続ワークショップのご案内

投稿者:PCDC推進室:関連事業

大泉町教育委員会と群馬大学教育学部が主催する教員研修連続ワークショップが7ー9日の三日間、大泉町の文化むらで開かれた地元の小中学校教員や同学部の大学生など計五百人が参加、指導力の向上を図った。
同じ教室の中に多様な教育ニーズが存在する現在、教員自ら楽しく教え、のびやかさを取り戻すことが大切との観点から、ワークショップはさまざまな分野の六人の講師が入れ替わりで登場した。「新聞記事より」

のびやかな体と心で、考え・伝える力を育てる

work-shop.jpg これが、今年の研修テーマです。日常の忙しさに追われ、いつのまにか意識できなくなってしまった「のびやかさ」。それは、教室全体を活き活きとさせる力であったり、ことばと表情に現れる豊かさであったり、ものごとを見る視野の広さであったりするのかもしれません。私たち自身がのびやかさを取り戻すことで、一人ひとりの子どもがその特性を発揮する環境が整えられるのではないか。そうした期待がこのテーマに込められています。
この研修テーマは、先生方がお寄せ下さる研修への希望アンケートの中で浮かび上がってきました。研修希望で最も高かった項目「教科の充実」「子どもの特性を活かした教育」とその他の多様な項目を、パズルのピースのようにつなぎ合わせているうちに見えてきたテーマでした。このテーマを追求するうえで、最高の講師の先生方をお招きすることができました。

教員研修連続ワークショッププログラムコーディネーター
結城  恵(教育学部助教授)

 

◇元気が出る国語楽習 杉渕 鉄良先生(東京都足立区立五反野小学校教諭)
8月7日(月)午前10:00〜12:00
「わかった!」「できた!」子どもの瞳がきらきら輝く、そんな授業をめざしています。子どものやる気、可能性を引き出す国語の楽習を提案します。

杉渕鉄良先生

◇瀧川 鯉昇落語会 瀧川 鯉昇先生
8月7日(月)午後の部13:30〜15:30
落語と落語にまつわる噺をさせていただこうと思っています。

瀧川鯉昇氏

◇あなたもこれで世界遺産博士! 佐滝 剛弘先生(NHK前橋局チーフプロデューサー)
8月8日(火)午前の部10:00〜12:00
今、群馬県では、旧富岡製糸場を中心とした絹に関わる遺産を、ユネスコの世界遺産に登録しようという運動が始まっています。でも、世界遺産って、万里の長城だったり、エジプトのピラミッドだったり、世界の誰もが知っている有名なものでないと、登録されないんじゃない?そんな疑問がよく聞かれます。世界遺産は、今年7月にも新に増えて、今や800を超す大所帯。その中には、20世紀にたてられたコンクリート造りの個人の家も,ブドウ畑の納屋も入っています。世界遺産の概念は広くて深いんです。その魅力にたっぷりつかるとともに、その底流に流れる文化財や自然保護に関する世界の考え方にも触れ、その上で、あらためて群馬県の養蚕文化の世界的意義を知ってもらう、そんな2時間にしたいと思っています。

佐滝剛弘先生

◇先進国社会における家庭崩壊 松居 和先生(音楽活動と平行し「先進国社会における家庭崩壊」「保育者の役割」に関する講演を行う)
8月8日(火)午後13:30〜15:30
子育てに正解はありません。色々な文化に色々な子育てがあって、家庭ごとに違って良いのが子育てです。親たちが、自分の趣味、都合に合わせて子育てを考えればいいのです。それを考えるとき、親が親らしくなっていくのです。子育て論が氾濫しています。しかし、むしろ子育てに何か正解があるのではないか、と思うあまり、親たちが必要以上に悩むこと、自信を失い不安になること、不安のあまり人任せにしようとすること、が一番困るのです。人間が何万年もやってきた子育てが、なぜいま先進国社会で揺らいでいるのでしょう。子育てが幸福の基盤になっていた時代に、親たちは何を基準に子育てをしていたのでしょうか。幼児という絶対的弱者とつきあうことによって、人間はその善性を引き出され、優しさを身につけます。人間性とは、実は幼児たちがつくりだすものなのです。競争にもとづかない幸福感、自分の自由を犠牲にする幸福感を子育てから学んで親が親らしくなっていく、このプロセスを親たちから取り上げてはなりません。

松居和先生

◇「軽度発達障害」と言われる子どもー理解の仕方・係わり方ー 松田 直先生(群馬大学教育学部長)
8月9日(水)午前の部10:00〜12:00
日常の生活には支障がなく、会話も通じるのに、国語や算数の学習でつまづきが目立つ子ども、知的な遅れは感じられないのに集団行動をいやがったり、相手の感情を害するような発言をしたりすることが目立つ子ども、先生が何回注意をしても、席から離れてしまう子ども。このような子どもたちが最近あちこちの学校で先生の頭を悩ませています。いろいろ手を替え、品を替え係わってみても、なかなか成果が挙がらないこともあります。このような子どもたちをどのように理解して、どのように係わればよいのでしょうか?ご一緒に考えてみませんか?

松田 直先生

◇伝わる日本語、生き生きとした日本語を話そう 高橋 のり子先生(フリーアナウンサー、日本語教師)
8月9日(水)午後の部13:30〜15:30
日本語は母語なのに、人に何かを伝える時なかなか思うように伝えられず歯がゆい思いをした経験はどなたでもお持ちだと思います。自分の思いを言葉に乗せるためのちょっとした工夫や伝わりやすい話し方を、発音や発声、音声表現技術、内容構成まで含めいろいろな角度から練習してみませんか?言葉はコミュニケーションのための大事な「道具」です。今回はその「道具磨き」をお手伝いします。皆さんで楽しみながら、言葉美人・言葉美男をめざしましょう。
高橋のり子先生