2007年12月21日
第5回 特設公開講座
投稿者:PCDC推進室:特色GP事業 【イベント情報】
「下層問題と多文化共生」
●講師
田巻 松雄氏(宇都宮大学国際学部教授)
●内容
一般に、多文化共生(社会)は、移民や外国人が持つ異なった文化を尊重しようとする理想や理念として語られる。しかし、ここでは、少し視点を変えて、下層問題との関連で多文化共生について考えてみたい。下層とは、物的な意味で厳しい生活状態にあるとともに、共生の反対概念といえる偏見や排除の対象になりがちな人々をさす。下層問題は、いわば強者と弱者の共生の問題を投げかける。下層として注目するのは、第一に、定まった住居を持たないホームレスの人々である。欧米では1980年代に、日本では90 年代前半に、台湾や韓国では90 年代後半にホームレスは増大し、可視化した。もう一つは、正式な在留資格を持たない非正規外国人である。1980 年代後半以降、東アジアは国際労働力移動の求心点となってきたが、合法的な外国人労働者を上回る規模の非正規外国人労働者が存在してきた。これらの下層の人々の形成と増大は、日本及び東アジア社会のどのような変容を反映しているのだろうか。本講座では、今日の東アジアにおける下層問題を経済のグローバル化や国の政策と関連付けて論じつつ、下層問題にどのように向き合うべきかについて考える。
●日時
2007年12月26日 10:30 ~ 16:15
●会場
群馬大学教育学部N棟1階視聴覚室
●入場料
無料
●問い合わせ先
群馬大学「多文化共生教育・研究プロジェクト」推進室
(群馬大学教育学部附属学校教育臨床総合センター 結城研究室内)
TEL・FAX 027-220-7382
E-mail pcdc@edu.gunma-u.ac.jp